中学生のみなさんへ、湘南高校とは(yahoo知恵ノートより転載)

 湘南高校がどういう高校だか、勘違いしている人が多いので、説明します。中学の先生からの情報や、塾からの情報、インターネット情報とのギャップに悩んでいる人が多かったので、説明します。

 中学の先生や塾、インターネット情報では、単に「進学校で、昔はすばらしい進学実績だったけど、今はそうでもない」くらいの情報しかないですよね。

また、髪を染めた生徒や派手なジャケットを上に着た生徒などもいるので、街中で湘南高校生をみた人は「自由な高校なのかな」と思ってしまうかもしれません。

 実際はぜんぜん違います。進学実績はインターネット情報ほどよくないですし、そこまで自由でもありません。

 湘南高校を一言でいえば、「服装と髪型が自由な自衛隊高校」です。

 

 先生方は、地元だとちやほやされています。「湘南高校の先生すごいですね。」と毎日言われています。けれども、先生方は、一流大学でていても、その後どこかで挫折した人が多いので、(大学院で教授に嫌われて卒業できなかった、企業で上司と衝突してやめてしまった)そこまで偉そうではありません。ただし、生徒には吹き込みます。「君たちは湘南生なんだから、選ばれたエリートなんだ」これで、生徒たちは偉そうになります。

 

 ただし、偉そうな生徒たちを叩き直すシステムが湘南高校にはそろっています。昔に、海軍兵学校の予備校時代だった湘南中学時代ころから残る、軍隊的な集団行動です。特に行事、体育、部活動に集団行動があるのです。 

 

 アメリカのエール大学は全寮制でいついかなるときもルームメイトと一緒に行動して、「ガリ勉くんをリア充にする」システムがあるといいます。

 湘南高校も、エール大学とは違いますが、少年工科兵学校のように、「ガリ勉くんをまともにする」システムがたっぷりとあります。おそらく以下のリンク先のマンガのような高校時代になると思います。「生徒物語」で検索してみてください。

www.mod.go.jp/pco/okinawa/images/seitomonogatari-no1.pdf

 

 湘南高校の教育によって育てる人物というのは、個性のある人物ではありません。金太郎飴のように、個性がなく、集団の中の一員として生きる人物です自衛隊員や警察官みたいに、その人の個性はいらなくて、組織でうごける人物を重要します。クラスはいついかなるときも常に集団行動です。

 

 この集団行動でノイローゼになる子がとても多いです。だって、みんな仲良いっておかしいですよね。一人ひとり好き嫌いがあるのが人間なら当たりまえ。でも、仲良くない人でも、仲良いふりをして、学校の行事をこなさなければなりません。行事は強制参加です。

 

 体育祭は夏休みをつぶしてやります。この体育祭でノイローゼになる人(特に女子)がとても多いです。「なんでクラスメートっていうだけで、仲良くもない人と行事をやらなければならないの?」というように。

 

 けれども、それは教育なんです。だって、プロ野球の巨人の選手だって、みんな仲いいわけではないですよね。本当は個人個人好き嫌いがあって「むかつく」「なぐってやりたい」みたいな関係でプライベートでは口をきかないような選手同士もいるわけです。でも、そういう気持ちを抑えて同じチームでホームランを打った選手は仲の悪い選手同士でも一応ハイタッチしますよね。社会に出てたらそれは当たり前のことなんです。

 

 さらに、湘南高校で大切なのは、勉強よりも体育です。体育では、伝統の縄跳び、長距離走、体操が毎週のようにあります。

 

 これでオタクっぽい生徒はいつも長距離走で下の順位なので、まいってしまうようです。でも、バランスのとれた人格の形成のためにはそういうことも必要なのです。

 

 さらに重要なことは、どの部活もも、のすごく本気でやっているということです。結構勉強放り投げて、横浜高校のレベルで部活動をやっている人が多いからです。

 

 ですから、サークルみたいなノリで水泳部に入って猛烈な筋トレの嵐で困ってしまうということもあるわけです。

 

 この「行事、体育、部活動での集団行動を通して一人前になる」という考えが湘南高校には深く根付いています。そのために、「小学校中学校一生懸命勉強して学区内トップ高校に入ったのに、なんでこんなに大変な目にあわなきゃならないの」と悩む生徒が多いです。中学時代勉強ばかりやって、「湘南高校に入学すれば夢の生活」などと思っていたガリ勉くんに多いみたいです。

 

 でも、一番は行事、体育、部活動というのは「周りの人と人間関係を作れるようにする」のが目的なんです。行事の優勝、体育の長距離走がはやい、部活動で大会で優勝なんて、たいした価値はありません。それよりもそういうことをこなす濃い人間関係の中で、「人間としていってはいけないことを学ぶ」「やられたらやり返す」「表でにこにこしてて影でボロクソなんていう人間は一見大人に見えるけど、信頼はえられない」など、人間として形成されていくことを学ぶのです。

 

 進学実績は学校の発表はあてになりません。(浪人や、複数の大学受かった人を発表するため)地元の人が思っている以上に湘南高校から東京大学にいける確立は低いです。

 

 平均的には、1クラスあたり、東大1名京大1名で早稲田慶應が10人くらい、あとは浪人してマーチ、日東駒専です。一番多い進学先は中央大学の法学部以外(経済学部、文学部、理工学部など)。中央大学湘南高校から一番近いMARCHだからです。(それでも乗り換えで大変)浪人して日東駒専に進んだ生徒は、同窓会にはこないですし、学校にも恥ずかしくて報告しにこないので、高校の進学実績にはのっていません。就職や専門学校も1クラスに1人は必ずいます。